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霊砲少女ミズキ三話前編

霊砲少女ミズキ第三話!
http://tanaberos.blog.fc2.com/blog-entry-10.html
設定の方も先に読んでおくと分かりやすいかもです。

今回は普通にエリョナヒロピン目指しました。
以下続きから


 悪霊の気配を察知したダニーに率いられ、瑞希は小さな林を抜けた先にある廃工場へとやってきた。
 壁や扉は錆び付き、植物が這っていることから、長らく放置されていることが分かる。
ダニー「瑞希よ、今回は前回みたいに食べ過ぎでーとかないやろな?」ギロリ
瑞希「今日は普通に体調も良好だよ、うっさいなぁ……」
 瑞希は唇を尖らせながらダニーから顔を逸らす。
 ぶっきらぼうな態度の理由。それは最近瑞希の中で、ダニーに対する不満が強まっていることだ。
瑞希(あーだこーだ言ってくる割には戦闘中には良い策とかも考えついてないし、別に変身したらダニーは黙ってて欲しいし)
 瑞希の不満をよそに、ダニーは更に小言を続ける。
ダニー「この前は偶然助かっただけで、下手したら死んでたんやで。もっと日頃から自分の体調についてやな……」
瑞希「だぁー!もううっさいなぁ!ダニーは私のお母さんか!もうそんな小言はいいから、さっさと悪霊倒して帰る!」
 瑞希はダニーを置いてズンズンと廃工場へと進んでいく。ダニーも慌ててそれを追いかけた。
ダニー「瑞希、どないな敵か分からんのやから、もっと慎重にやな……」
瑞希「どんな相手だって戦わなきゃならないんだし、別に私も負ける気ないし!今までだってそうだったじゃん、もうダニーは黙っててよ!」プンスカ
 溜まったイライラを吐き出すように瑞希が怒鳴る。
ダニー「やれやれすっかり天狗になっとる……でも気をつけな、いつか痛い目みるかもやで?」
 瑞希はそのダニーの忠告を無視し、錆び付いて重くなっている扉を体全体で押し開けた。


 霊砲少女ミズキ
 第三話前編「霊砲少女、無惨」


 中の様子を伺う。機械などの設備は全て撤去されているようで、ガランとだだっ広い空間が広がっていた。割れた床から土の茶色が覗いている。天井も壊れている部分が多々あるのか、日の光がスポットライトのように数カ所差し込んでおり、またそこから雨水も入ってくるためだろう。茶黒く変色した泥も広がっていた。
瑞希「妖魔らしいものは見あたらないけど……」
ダニー「油断したらあかんで、とりあえず変身してから、少し様子を伺ってやな……」
瑞希「言われなくても分かってるよ!」モグシ
 瑞希がまだ話の終わっていないダニーを鷲掴みし、口へと運ぶ。
ダニー「イギャアアアア!!!」
 悲鳴とともに青い光が瑞希の身体を包み、霊装に身を包んだ霊砲少女ミズキの姿へと変わる。
ミズキ「まぁ敵がなんであれ、私が入ったら襲ってくるだろうし、それを倒せばいいんでしょ」
ダニー『いやそれはあまりにも無謀やで!?もうちょっと中の気配を探ってやな』
 ダニーの言葉を無視し、ミズキが廃工場内へと足を踏み入れる。
 霊砲を召還し、周囲を注意深く探りながら廃工場の中央へと向かって歩く。
ダニー『さっきから気配はビンビン伝わってくるんやけどな』
ミズキ「まさか建物自体に憑依してますとかじゃないよな……」
 ミズキがそう言いながら、目の前に広がる泥地を避けようとした時である。
妖魔「キュエエエエエエ!!!」
 泥がゴポリと泡吹いたかと思うと、触手のような姿を形成し、ミズキへと襲いかかってきた。
ミズキ「なるほど、泥に憑依してたってわけ」
 ミズキはしかしそれを冷静に心霊弾で撃ち抜く。
 バシャ、と形を崩し地面へと落ちていく泥。
ミズキ「まぁ待ち伏せして不意打ちしたつもりだろうけども、全然ダメダメだね!」ドヤァ
 ミズキは満足げに霊砲を下げる。
ダニー『アホ!まだ悪霊の気配は消えてへんで!』
 ダニーの言葉とともに、水たまり程度だった泥が床一面へと広がる。ミズキは一瞬怯みつつも、霊砲を構え直し、辺りに視線を送る。
ミズキ「むー、やっぱり心霊弾一発で倒すのは無理だったかー」
ダニー『いや、ミズキ。こいつには……』
ミズキ「うっさい!気が散るだろ!」イライラ
 ミズキが反抗心から、ダニーの言葉を遮り怒鳴る。それと同時、ミズキの背後から泥触手が生え、鞭の如くにミズキを狙う。
ミズキ「へへ、遅すぎだよ!」
 しかしミズキは持ち前の反射神経で、それを軽く避け、心霊弾を三発ほど撃ち込んだ。
 パシャパシャと音を立て、先ほどまでと同じように泥に戻る触手。その手応えのなさに、ミズキも違和感を感じる。
ミズキ「なんか手応えが無さ過ぎ……」
ダニー『やっぱりな……ミズキ、こいつは泥の中を悪霊の核が動き回ってるみたいや。核の影響を受けてないとこはただの泥に還るみたいで、ようは心霊弾が当たる前にこの泥の中のどこかに逃げてもとるんや』
 ダニーの説明を聞きながら、ミズキは何度か襲ってくる泥触手を避けては心霊弾を撃ち込むということを繰り返す。
 やはりダニーの言うとおり、心霊弾が当たるころにはただの泥に戻っているらしく、パシャと水気のある音を立てて散っていくのみだ。
ダニー『あかんな、心霊弾でダメージを与えられんのやったら少し状況が悪すぎる。ミズキ、ここは一旦退いて、策を考えるんや』
ミズキ「はっ!冗談!」
 ミズキはダニーの言葉を無視し、戦闘を続ける。
ミズキ「妖魔を前に逃げるなんてごめんだよ!それに要は悪霊が逃げるより速く心霊弾を撃ち込めばいいんだろ?マッハ余裕だし!」
ダニー『あ、あほ!もっとちゃんと状況見ろや!』
ミズキ「うっさい!ダニーは黙って見ててよ!」
 ミズキは今まで異常に集中力を高め、周囲を観察する。要は目で追うから死角からの攻撃がワンテンポ遅れるのだ。五感全てで相手を察することが出来れば。
 パシャ
ミズキ「そこだ!」
 ミズキは背後から聞こえた水音に、すぐさま振り返り心霊弾を撃つ。
 狙いは完璧だった。だがすでに悪霊本体は逃げているらしく、今までと同じく水音を弾けさせて泥として崩れていくのみだった。
ミズキ「おっしい!」
 根拠はないが、ミズキは直感的にもう少しで攻撃が当たる気がした。ダニーが何かわめいているが、意識の共有を極限まで下げて、聞こえなくする。
 ミズキ(集中してるんだからうるさくするなっての……)ムカムカ
 ミズキは妖魔の動きを少しでも鈍らせようと、的を絞らせないように動き回る。
ミズキ(下が泥だから滑って走りにくいけど、別にこれくらいどうってことない!)
 その間も泥触手がミズキを襲うが、ミズキはその全てに反応し
、撃ち抜く。だが悪霊本体の方もその猛攻を逃げ切っていた。
 妖魔はフェイントや、複数の泥触手による攻撃など、行動にバリエーションを増していた。
 ミズキはそれを全て対処し切り、だが運動量が倍以上に増えていた。とはいってえも身体能力的には高いミズキである、この程度で底尽きるスタミナではない……はずだった。
ミズキ「……っ!」ゼーハー
 息切れしながら、最初に比べれば明らかに鈍くなった動きで泥触手を捌き続けるミズキ。最初の内は浮くような軽いフットワークだったのが、今ではソックスを泥で汚すほどに粗い足さばきとなっている。
 その顔には大粒の汗が浮かび上がり、表情も険しくなっていく。
mizu3Aa のコピー
ミズキ(おかしいな……いつもは、こんなに疲れないのに……)
 ミズキ自身にも不明な体力の大幅な消耗。そのせいか、下げていたダニーとの意識の共有が元に戻り、ダニーの怒声が体内に響く。
ダニー『あほが!ようやく繋がったか!』
ミズキ「ダニー、うるさ、い……こっちは今、いっぱいい、っぱい、なんだから……」
 乱れた呼吸のせいで切れ切れな言葉になる。足が重く、泥の上を這うようにしか動けない。
ダニー『普段より足場が悪いんや、調子乗っていつも通りに動いてたら、そら体力もいっぺんにもっていかれるわ……』
 ダニーの呆れ声。それプラス、ダニーの的確な状況判断。それが今の反抗的なミズキの感情を突っつき、頭にカーッと血を上らせる。
ミズキ「別に、このくらいの体力の減りとか、どうってことないし!ていうか下が泥なら飛べばいいだけ!」
 言うと、ミズキは地を蹴り宙に舞う。
ダニー『ド、ドアホ!!なんの考えもなしに飛ぶ奴があるか!?」
 ダニーの怒声と同時、無防備な跳躍中のミズキを格好の獲物と捉えた妖魔が、一際大きい泥触手を形成しミズキへと振り下ろす。
ミズキ「しま……っ!?」
 咄嗟に霊砲でガードするが、ダメージは殺し切れずに泥の海へと背中から叩き落とされる。
 ベチャリと粘性のある水音と共に、ミズキの背と尻を泥が汚した。
ミズキ(うげ、気持ち悪い……これパンツにまで染み込んできてるよ……)
 泥の冷たい感触に表情を歪めながら、起き上がろうとするミズキ。だがその手足を何かに掴まれる。
ミズキ「え!?」
 ミズキが慌てて自身の手足を見ると、泥が手の形を作り、手首足首をギッチリと握り込んでいた。
 慌てて手足をバタつかせる。だが、かなりの力で抑え込まれており、ミズキの力をもってしても拘束を振りほどくことは難しそうであった。
ミズキ「くそ、離せって……離せよぉ!」
ダニー『ミズキ、落ち着くんや!』
ミズキ「これが落ち着いてられる状況なわけないじゃん!」
 再びダニーの声を遮断するべく、意識の共有レベルを下げる。ダニーの声が聞こえなくなっていく。
 ミズキは纏わりつく泥を撃ち払おうと、霊砲を探す。
 叩き落とされた時に手から滑り落ちたのだろう。少し離れたところに霊砲は転がっており、しかし既に泥に包まれ取り戻すことは困難となっていた。
 自らの唯一絶対の武器を奪われ、ミズキの背中に泥の冷たさとは別の冷たさが、ヒヤリと走る。
 そのミズキの不安を感じ取ったのか、妖魔が泥触手をヌルヌルと形成する。今まではミズキの死角を狙うように現れていたが、今回はまるでミズキをあざ笑うかのように、ゆったりと目の前に現れる。
ミズキ「……ッ!なんだよ、勝ち誇ってるつもりか!こんな拘束なんかすぐ解いて…ッ!」
 手足を地面にたたきつけ、泥の手による拘束を解こうとする。が、その程度のことはでやはり拘束は緩みすらしない。
ミズキ(外れろ!外れろぉ!)
 しかしそんなミズキの必死の努力も虚しく、泥のムチがミズキへと振り下ろされた。
 ビチャァ!!
ミズキ「ぅが!?」
 水音が弾け、ミズキが悲鳴をあげる。
 霊装がダメージをある程度防いでくれているとはいえ、それでも突きぬけてくる痛みがミズキを襲う。
 だが、それで終わりではない。
 ミズキへと打たれた泥触手が潰れると同時、新たな泥触手が現われる。そして痛みにピンと体を張らしていたミズキへと、先の泥触手と同じくムチ打ちを行う。
 ビシャリ!!
ミズキ「んあぁ!?」
 体が張っている状態でダメージを逃がすことが出来なかったため、先ほどより痛みが重い。
 だが痛みに耐えるより先、ミズキの目は開かれ、そしてその現実に体が震える。
 目の前で、更に先と同じように泥触手の形成。ミズキに休む間も与えず、連続して泥触手による殴打を繰り返すつもりなのだ。
ミズキ(そんなの、霊装が持つわけない…ッ!?)
 ビチャリ!!バシャリ!!ビシャリ!!
 水音がリズミカルに響き、ミズキへと泥触手の連打がはじまる。まるで水車のように、規則的に一定の間隔での打撃。
 ミズキは打たれる度に小さな悲鳴をあげ、その場から逃げだそうと体を動かす。だが、手足を拘束している泥の手がそれを許してくれない。そして逃げようと体を張らせるため、余計に打撃のダメージが大きくなる。必死に逃げようとすればするほどに、悪循環に陥っていく。
ミズキ「……ッあ!やだ!!うがぁ!?痛い…ってばッ!」
 腹の辺りを中心に、時に手足のほうに逸れながらも、痛みが送られ続ける。ミズキの胃がキュッと締まり、ぶるりとした吐き気がミズキを蝕んでいく。
ミズキ(なんで!?なんでやられるがままなの!?いつもだったら、絶対に逆転出来るのに!?)
 ミズキの疑問に答えもないまま、水音とミズキの悲鳴だけが鳴り続ける。
 そして、それが五十回ほど続け続けられたであろうか。その時である。 
 ビッシャァ!!
ミズキ「…ッ!?いぎゃああぁぁぁあ!!?」
 ミズキが一際大きな悲鳴をあげ、体をビクつかせた。
 ついに霊装の防護力が突破されたのだ。体に傷が残るほどに防護力を無効にされているわけではないが、それでもダメージが全て体に伝わってくる。何度も何度も。
 もはやダメージ軽減は出来ない、その状況で何度も体を鞭打ちされるミズキ。
ミズキ「んぎぃ!?やめ、んあぁ!?」
 その痛みに耐えることもできず、涙を浮かべながらいやいやと首を振り、今まで以上に乱暴に手足を振り回し、泥の拘束から逃れようとする。だが元々振り払うことが難しいほどの拘束だったことに加え、ミズキ自身力も弱ってきているため振り払うことはもう叶わない。
 ただただひたすらに泥触手の攻撃を受け、痛みと吐き気に悲鳴をあげることしかできない。
 悲鳴は悲痛な音色を増し、一打一打重ねられるごとに、ミズキの心にヒビが入っていく。
ミズキ(やだ!痛い痛い!)
 痛みの前に、ついにミズキの心が弱りだす。
 自分は勝てない、このままでは負ける。そう気付いてしまっては、もはや正義のヒロインのプライドは簡単に折れてしまう。
 ミズキの心は、ただの少女のそれへと成り下がる。
ミズキ「やだぁ!痛い、やだ!やめろ、やめてぇ!!」
 しかしそんなミズキの懇願も無視し、泥触手は何度も振り下ろされ続ける…….。
 そして三分ほどそれが続けられた。

ミズキ「ぅ…あぁ……」
 妖魔の殴打を受け続けたミズキの体は、もはや悲鳴をあげることも出来ないほどになっていた。 
 華麗な青を基調とした霊装は、泥の茶黒い色にじっとりと染まっていた。その汚らしい姿が、ミズキの敗北をより一層濃く彩る。
ミズキ(身体中が痛い……やだ、こんなのおかしいよ)
 自身の置かれている状況が理解できない、とミズキは困惑する。
 今まで勝利することは当たり前だった。だから負けるなどということは考えていなかった。もしピンチに陥っても、いつも逆転の手が残されている、と。
 だが今回に至っては、それすら見当たらない。
 手足の拘束はすで解かれている。もはや拘束するまでもない、という意味なのだろう。
 そのことがミズキのプライドを更に傷つけていた。
 だが事実、もう指先がヒクヒクと動くだけで、それが逆に、もうまともに動けないことを表していた。
ミズキ(く、っそぉ……)
ダニー『…ズキ、ミズキよ!おい大丈夫か!?』
ミズキ「あ、ダニー……」
 ミズキが意図的に下げていた意識の共有レベルの抑えが効かなくなったのだろう。ダニーの声が響き、ミズキは請うように呟く。
ミズキ「ダニー、どしよ……体、動かないし、なんも出来ないよ……」グスグス
ダニー『ほら言わんこっちゃない。とにかくワイの心霊力である程度体力の回復させたるから、ちょっと待っときや』
ミズキ「……ッ!うん!」
 ミズキの表情に再び希望が生まれる。まだ負けたわけではない。ダニーが体力を回復させてくれれば、次はなんとかなるはずだ。
 グズリ……
 だがそんな希望に満ちた表情が面白くないのか、もしくは元々トドメを刺すつもりでいたのか。
 泥触手がのたうつようにせり上がり、ミズキの眼前で首をもたげる。
ミズキ「ひっ」ビクッ
 もはや強がりで隠すことも出来なくなった怯えに、瞳を震わせるミズキ。
 そんなミズキの口に、泥触手は容赦なく己を突きたてる。
ミズキ「んむぅ!?んぐうううううううう!!」
 口の中に広がる泥の味、頭が揺さぶられるような吐き気に襲われる。
 泥触手はミズキの口内に体を擦りつけるように、所狭しと動き回る。
mizu3Ab のコピー
ミズキ「んぶ!んんぅ!?」
 泥の苦みによりせり上がってくる酸っぱさを飲みこむことも出来ずに、しかし泥触手がせき止めているため吐き出すことすら出来ない。
 いや、そもそも吐き出してしまえば。
ミズキ(吐いたら、変身が解ける……こんな状況でそうなったら……)ゾクリ
 ミズキは必死にいやいやと首を振る。だが状況は一つも好転しない。
ダニー『……あかん、もうワイの力が送れへん』
 ダニーの呟き。ダメージのせいか、この嘔吐感のせいか。どちらにしろ、恐らくもう半分ほど変身の力が解けてきているのだろう。霊装はそのままだが、ダニーの力が受け取れない。
 そしてダニーの諦めの言葉。それがミズキの最後の心の支えを壊す。
ミズキ「んぅ!?んぶぅうううううう!?」
 ミズキは吐き出せない悲鳴を上げながら、その双瞳からポロポロと涙を零す。
 口の周りから溢れ跳ねた泥がミズキの口元を汚し、唾液や涙と混じり、茶色が混じった液が顎から滴り落ちる。
 妖魔はそんな絶望に落ちたミズキの様子を楽しむように、無数の泥の手を生成し、霊装をずらしながらミズキの体を撫でまわす。
 今まで霊装に隠れていた肌の部分隅々まで、泥を塗りたくられる。
ミズキ「……!?んむぅ!!///」
 胸の先端を泥の手が通り過ぎ、ミズキの体がピクンと弱々しく震える。白い肌も泥塗にされ、特に胸は揉まれるように泥を塗りたくられる。情けなく、泥の山の頂上に、プクリと膨らみが起きてしまい、それがミズキの羞恥を余計に煽る。
 ふとももから尻の丸みにせり上がるように泥が這っては、ミズキの下着を茶汚く染めていく。そのまま下着の上を通り過ぎ、帯の下にあるへそを撫でられ、冷たさとぬめりにミズキの体に震えの波が一つ起こる。
 そんな屈辱的な行為に、ミズキの顔は朱色に染まる。
ミズキ(嫌だ!やだ!気持ち悪い!痛い!苦しい!)
 痛みと苦しみと羞恥と不安。
 そんなものが入り交じった恐怖が、ミズキの体を蝕み続ける。
ダニー『くぅ、ミズキィ……』グギギ
 そんなミズキの感情が伝わり、ダニーは悔しげな声をあげる。しかし今のダニーには霊装の最低限の能力を保つことしかできない。
 もはや好き勝手にミズキの身体を蹂躙できるようになった妖魔。ついに口内の泥触手は、ミズキの喉元まで入り込み、その体をビクビクと震わせながら膨らませていく。
 喉を圧迫されるような感触に、ミズキの目が見開かれる。そして……
 ビュル!!ビュッ!!ドクドクドク!!!
ミズキ「んぐうううぅんんん!!?」
 泥触手の先端から、泥水が吐き出される。
 泥の苦みと臭気が体内に入っていく感覚。ミズキは悲鳴をあげることも出来ず、それを強引に飲まされる。
 同時、ミズキの体を這い回っていた泥の手も形を崩し、泥へと還りミズキの体を汚した。
 胃の中が泥で満たされたのではないかと思うほどの泥水を吐き出した泥触手は、ミズキの口から這い出て、そしてその形を人の顔に変化させる。凹凸のすくない、人のようで人間味が皆無な泥の顔。それが泥まみれで力なく尻をついているミズキを見て、ニヤリと笑う。
 それは妖魔の勝利宣言であった。
 胃が、ひっくり返ったのではないかと思うほどの嘔吐感。それに抗う術はミズキにはもうなかった。胃の中の異物が、機能的に逆流する。
ミズキ「んむ、うえぇ……」
 ビチャビチャビチャと。 
 自身の腹の上あたりに向かって、せり上がってきたそれを吐き出す。およそ人の中にあったとは思えない、泥と胃液が混じり合った嘔吐物。鼻を突き抜ける痛みには、それだけでまた吐き気が襲ってくるような臭気が混じり、胃液の酸っぱさと泥の苦みが混じり合った口内の味に、舌が痛々しいほどに痙攣する。
 嘔吐物がミズキの上にあった泥を流し落とし、結果誇りである霊装が自らの吐瀉物にまみれ、汚れていく。
 それを見て、嘔吐のせいだけではない涙も溢れ出し、止まらない。
 ゲホゲホとせき込み、口から透明な糸を引いているその姿は、ただの敗北者の惨めで汚らしいそれだった。
 胃の中の泥を全て吐き終わり、最後にポトリしと青い球体が吐き出される。その球体は光を一瞬放つと、ダニーの姿に変わる。
 そうしてミズキの体も青い光が覆い、それが晴れると制服姿のただの少女の七瀬瑞希が残った。
 すべての力を失ったかのように、泥の海へ背から倒れる瑞樹。
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瑞樹「んへぇ……ぅあ……」
 後ろで結っていた髪は、髪留めが千切れ、ハラリと泥へ沈む。うつろな目で、ダランと開けた口から涎と胃液混じりな透明な糸を垂らした表情。おそらく気絶寸前で、もうまともに思考もできないのであろう。ハァハァと荒い息を吐きながら、その場から動けず、ただただ服に泥が染み込んでいく。
 瑞希が味わう、はじめての敗北であった。
 妖魔はその様子にブルブルと歓喜に震え、そして泥の中からついに悪霊が現われる。
 普通の悪霊より小振りなそれは、素早く前後左右に揺れる。そしてゆったりとした動きで、瑞希へと近づく。
 高い心霊力を持つ瑞希。
 それはダニーが力を貸すにふさわしい資質であり、また同時に悪霊が求める資質でもあった。心霊力が高い者に憑依出来れば、それだけ強力な妖魔となることが出来る。
 だが瑞希は高い心霊力に見合った対霊防御も持っていた。そのため、瑞希の方から体内に霊を取りこまなければ、瑞希と霊のシンクロは成り立たない。ダニーを食べるように取り込むのも、このためだ。
 だが今の瑞希は、その対霊防御も無いに等しいほどに弱っている。悪霊にとってそれは泥のような心霊力皆無なものから、優秀な後継機へと乗り換える好機であった。
 悪霊が近づいてくるが、しかし瑞希の瞳にはそれはもう映らない。
ダニー「ちっ!しゃーない!」
 そんな瑞希の様子に、ダニーが悪霊と瑞希の間に割って入る。そして、
ダニー「ダニーフラッシュ!」
 ダニーの体が白い光を放つ。
 ダニーフラッシュ、ダニーが個人で使うことのできるわずかな心霊力を一瞬にして放出する、心霊的目くらましだ。
 その光に呑まれ、悪霊が動きを止めた。
ダニー「瑞希、すまんの……」
 そしてダニーが瑞希の胸辺りから体内にスルリと入りこむ。
 普段なら出来ないことだが、対霊防御の下がった瑞希に対してならば、ダニーからのコンタクトで憑依することが出来る。
 一度二度、腕を上下させ、しっかりと体のコントロールを得ている事を確認する。そして泥を払いのけながら立ち上がり、あとは一度も振り向かずに廃工場の出入り口を走りだした。
 ダニーフラッシュを受けた悪霊は、未だ動けずにいた。
 逃走は成功。勝利とも引き分けとも絶対に言えない。だが、最悪の負けだは避けることは出来た。
 ダニーは瑞希の体で走りながら、ひとまずはホッ心を撫でおろす。
 しかし瑞希の体はボロボロだ。その上、普通なら走れないところを、自分が憑依することで無理に動かしている状況だ。瑞希の体の負担は更に大きくなっている。
 とにかく家に戻り、瑞希の体を休める。 
 今回の負けと、今後のこと。それらを思考の端に追いやり、ダニーは瑞希の体を走らせ続けた。

~前編完~
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